ホルモンについて

ホルモンとは

ホルモン産生臓器から血中に放出され体にあるすべての細胞の受容体で生化学的効果を発揮する分子のことです。

代謝 生殖 成長 老化 免疫などいろいろな機能を制御、調整しています。微量で大きな効果を発揮します。ホルモン分泌量が最適値であれば若さ、健康は維持されます。老化にともなう体調不良や活力低下は加齢に伴うホルモンの減少と関係しています。

エストロゲン

発情行動(エストラス)を起こさせるホルモンとして発見されエストロゲンといわれます。卵胞ホルモンともいいます。のぼせや情緒不安定、不眠症を和らげしわや肌質 髪質を改善し若々しさを与えます。女性の骨粗しょう症 アルツハイマー病 心臓病 うつ病などの病気を防ぐ効果があります。
エストロゲンには、E1(エストロン)E2(エストラジオール)E3(エストリオール)の3種類があります。
妊娠していない女性では主にE1 E2が卵巣でつくられています。E3は微量です。
妊娠中はE1 E2 E3すべて主に胎盤でつくられます。
閉経後の女性では 主にE1が体の脂肪組織 筋肉内で作られます。
体脂肪が多いほどE1は多くなります。

E1(エストロン)

E1は、主として性腺または副腎皮質で作られるアンドロステンジオンから生産されます。
更年期前の女性では、E1の50%以上は卵巣によって分泌されます。
思春期前の子ども、男性および、ホルモン補充をしていない閉経後の女性では、E1の大部分は末梢組織で作られるアンドロステンジオンに由来します。
エストロゲンとしての作用はE2よりも弱いことが知られています。
E1は結合型エストロゲンおよびエステル型エストロゲンを含むものなど複数の薬剤の主なエストロゲン作用成分です。閉経前の女性では一般にE1分泌量がE2分泌量と同等です。
閉経後はアンドロステジオンのE1への変換が高まり、E1値が上がることが多くあります。

エストロゲンの作用:思春期の女性の膣・子宮・乳房を成長させる
妊娠に備えて子宮内膜の細胞を増殖させる 細胞の分裂を促す
乳房をもっとも刺激するのはE2 刺激が少ないのがE3です。

エストロゲン優勢の場合

エストロゲン優勢の場合 以下の症状が現れます。

老化現象の加速 - 
アレルギー症状喘息 蕁麻疹 発疹 鼻づまり
自己免疫疾患紅斑性狼瘡 シェ―グレン病 甲状腺炎
甲状腺不全手足冷感 性欲減退 不安 動揺 ふさぎこみ ドライアイ 疲労感 抜け毛 むくみ 体重増加
乳房の症状
乳房の痛み 乳腺繊維腫 乳がん
子宮の症状
子宮内膜がん 子宮がん 生理不順 不妊 子宮頚管異形成 子宮筋腫 多のう胞性卵巣 無排卵
精神症状
前更年期症候群 過敏症 不眠 物忘れ むら気 疲労感 血栓症 etc...

エストロゲン不足の場合 以下の症状がでます。

■ほてり■膀胱炎
■イースト菌感染■疲労感
■膣の乾き■記憶障害
■性交痛
■思考がはっきりしない
■イースト菌感染
■物忘れ
■骨量減少
etc...

プロゲステロン(妊娠に役立つホルモンという意味)

  • 子宮内膜の分泌を維持する
  • 妊娠中の胎児の生存に必要

エストロゲンの作用を調整:プロゲステロンが少ないと相対的なエストロゲン優位状態となりそのための症状がでます

プロゲステロン不足の場合 以下の症状がでます

■乳房の圧痛■膨張を伴う月経前緊張
■月経過多■子宮内膜症
■子宮筋腫■筋肉の緊張
■短気
■不安
■イースト菌感染
■短気
■怒り (特に月経前)
■過度の緊張や不安を伴う不眠症
■水分貯留
■下肢のむくみ

コルチゾール

副腎で作られているホルモンのひとつです。ストレスを感じるとコルチゾールが多く分泌されストレスホルモンとも呼ばれます。
副腎髄質ではエピネフリン ノルエピネフリンが作られ血圧 脈拍 血糖に関係しています。
副腎皮質ではグルココルチコイド ミネラルコルチコイド アンドロゲンを分泌 体のバランスを維持しています。 
グルココルチコイドのひとつがコルチゾールです。
血糖 炭水化物 たんぱく質 脂肪 炎症のバランスをコントロールしています。

コルチゾールが多い場合 以下の症状がでます。

■体重増加■血糖値のアンバランス
■皮膚が薄く弱くなる■筋肉の衰え
■物忘れ■脳の海馬が機能低下し物忘れに影響する etc...

DHEA

ジヒドロエピアンドステロン(DHEA)はステロイドホルモンの一つで副腎で作られます。
エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンの前駆物質でマザーホルモンとも呼ばれます。
もっとも産生量の多いホルモンでタンパク質合成、免疫システムの働きを高めストレスを和らげます。
抗酸化効果がありガンを抑制し脂肪やコレステロールを減らして心臓病も予防します。

テストステロン

男性の活力の源で、性欲やバイタリティー 自信を与え、心臓病 肥満、アルツハイマー病を予防しますが、女性にとっても美肌 性欲やバイタリティーを保つホルモンです。

女性においてテストステロンが高値の場合 短気 顔ひげ 多毛あるいは男性型脱毛 にきび 不安 不眠などの症状がでやすく、インスリン抵抗性 甲状腺機能低下 多のう胞性卵巣症候群を考える必要があります。

ナチュラルホルモン補充療法とは

ホルモンのアンバランスを調整し不足しているホルモンを補充し、各ホルモンのトータルバランスを最適化する療法です。ホルモンのバランスを若い年齢の状態に近づけることで心身の機能を高め病気を予防する新しい考え方の治療法です。これをナチュラルホルモンで行うのがナチュラルホルモン補充療法です。

ナチュラルホルモンとは

ヒトの体がつくるホルモンとまったく同じ化学構造をもったホルモンのことです。これに対して一般的な医療で用いられているのはヒトのホルモンとは構造式がことなる合成ホルモンです。環境ホルモンのようなものです。妊娠した馬の尿から作られています。ヒトのホルモンとは構造が異なるためいろいろな副作用があります。製薬会社は特許をとって利益をあげる必要性からナチュラルホルモンの構造に手を加えたこれらの合成ホルモン剤を提供しています。

ヒトの体にとって、本当に有用で安全なのは当然、ナチュラルホルモンですが医療者でさえまだそのことを認識している人が少ないのが現状です。

プレマリン

妊娠した雌馬の尿から抽出されたエストロゲンとエストロンE1を含む合成ホルモンです。当然人間のものとは構造が異なります。

乳がん、心臓病、脳卒中、血栓症なんどのリスクを上げます。

睡眠のお話

眠っている間に私たち自身あまり意識していないが、いや眠っているので意識しようにもなかなか意識できないが、わたしたちの睡眠状態には2種類ある。目を開けて眠っている人がいたらそっとそのひとの目の動きをみてみよう。
目を閉じている人でもそっとまぶたをこじ開けてしまえば眼球の動きをみることができる。
うまくやらないとトラブルになる可能性があるがわたしの責任ではない。目の玉が左右にいったりきたり動いているか、それとも動いていないかで睡眠状態がわかる。
もし動いていればその状態をRapid eye movementといい頭文字をとってREM(レム)睡眠とよんでいる。このときの脳波を調べると7Hzほどの単一な波形を示すシータ波といわれる脳波がみられ大脳は活動しているのだ。一生懸命脳が記憶を定着させていると考えられている。
男性ではレム睡眠中に勃起することがある。勃起して寝ている男をみたらレム睡眠中だということがわかる。もっこりしながらすけべな記憶を定着させ脳は働いている。男はわかりやすい。このレム睡眠に対し眼球が動いていない状態をノンレム睡眠という。このときの脳波は振幅が大きな低周波のデルタ波がみられる。大脳の活動は低下し意識はなく脳が完全に休んでいる状態だ。レム睡眠とノンレム睡眠は両方あわせて90分間で睡眠中われわれはこの状態を繰り返している。だから睡眠時間は90分を単位としてその倍数時間ねるとすっきりすると考えられている。4時間ねるより3時間のほうがいいのだ。

ひとはどうして眠くなるのか。それは脳の視床下部といわれるところにある睡眠中枢がホルモンなどの睡眠物質の影響を受けるからである。脳のなかではプロスタグランジンD2などといわれる睡眠物質がつくられていて、これが睡眠中枢を刺激するとねむくなり同時に他の部位にある覚醒中枢は抑制されノンレム睡眠が始まる。その逆に睡眠中枢が抑制され覚醒中枢が刺激されると目が醒める。

またわたしたちのからだはメラトニンという睡眠ホルモンを分泌して睡眠を調節している。この物質は脳の松果体という部分から分泌されるホルモンでトリプトファンという必須アミノ酸から作られている。夜間暗くなるとメラトニンが分泌され私たちは眠くなり朝明るくなると、網膜を通じた光の刺激でメラトニンの分泌がとまりわたしたちは目が覚める。暗い時間の長い冬のほうが眠たくなる。この睡眠ホルモンの分泌の程度が睡眠の良し悪しに大きく影響を及ぼすのだ。夜間しっかりとメラトニンが分泌されればよく眠ることができる。
しかし歳をとると脳の松果体が萎縮しメラトニンの分泌が減り不眠症になってしまう。このホルモンは幼児期に分泌のピークがあり以後はだんだん減少し70歳をすぎるとピークの10分の1に低下するといわれている。だからお年よりは不眠を訴えるひとが多いのだ。
不眠はひとつの老化現象として説明される。しっかり眠りたいひとはこのメラトニンを増やすことを意識したほうがいい。からだを動かすことでメラトニンの分泌が増えると考えられているので昼間はしっかり運動し夜はあまり部屋を明るくしないほうがいい。コーヒーなどに含まれるカフェインや痛み止めの薬である非ステロイド性抗炎症薬はメラトニンを減らすので就寝まえにはこれらをひかえるほうがよく眠れるかもしれない。気の短いひとはメラトニンを直接的に補うために口からいれるのが手っ取り早いだろう。バナナの皮や青汁などの植物にもメラトニンは含まれているらしい。私はサプリメントとしてメラトニンを摂ることを勧めている。病院で処方される睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)は作用機序がまだはっきりわからず異常脳波を誘発することもあるので、これらを日常的に使用するよりもメラトニンのほうがからだにとって自然であると考えられている。メラトニンをサプリメントとして使うことで海外旅行の時差ぼけ対策にも役立つ。
その他睡眠の改善法としては就寝まえの入浴で体を温めておき入浴後の体温の下がり際に寝るとよいといわれている。
しかしタイミングをまちがうと湯冷めして風邪をひくかもしれない。注意しなければいけない。
それでも眠れなければつまらない本でも読むしかない。


 まとめ 

  • 睡眠時間は90分の倍数でとる。
  • 寝ながらもっこりは90分おきに観察される。レム睡眠中だ。
  • 睡眠には睡眠ホルモンのメラトニンが重要。年齢とともに減少するので補う必要がある。
  • メラトニンを増やす生活習慣が重要。
  • メラトニンサプリは時差ぼけ対策に使える。

医療機関情報

院長名イチカワ ユキオ
市川由紀夫
医療機関名イリョウホウジン
医療法人
ヨコハマグリーンクリニック
横浜グリーンクリニック
郵便番号〒234-0054
所在地神奈川県横浜市港南区港南台4-22-9
パークハウス港南台1F
電話番号
045-830-6801
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